「ライト、ついてますか―問題発見の人間学」を読んで
書籍

- 作者: ドナルド・C・ゴース,G.M.ワインバーグ,木村泉
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1987/10/25
- メディア: 単行本
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TL;DR
- 昔の本だが問題解決する上で肝となる点が書かれており、現代でも十分に通用する。
- 問題点は何なのか?を考えずに反射的に解答する癖が人間にはある。
- 問題の主語は誰か?を意識するだけで解決策の切り口が変わる。
この本を選んだ理由
- 課長に「オススメ本ありますか?」と聞いたところ、この本をオススメしていただいたから。
- 自分の読みたい本リストに入っていたから。
印象に残った点
ヒトは問題点が何か?を深く考えずに反射的に解答を探そうとしてしまう
- 何が問題なのか?誰が問題と感じているのか?という視点が定まらないと答えが変わる。急いで解答せず、2、3問をしたほうが良い。
- 導入にエレベーター問題があり、本を読みながら解決方法は…と考えながら読んでいた。
- まさに著者の意図どおりに動いていた。意識しないと出来ないな…ということを身をもって体験できた。
問題とは望まれた事柄と認識された事柄の間の相違である
- 相違を減らすような手を打つことが問題解決。
- 問題の本質を捉えるとはこのギャップを見つけることか。問題解決する際は意識していきたい。
問題を持ち込んだ人達の解決方法は問題の定義ではない
- 膨大な組み合わせのある問題を計算パワーで解いて欲しいと依頼があっても、計算パワーで解くことが問題ではない。
- 開発/設計の仕事をしているため、問題だけではなくUserからの要望も同じだなと感じた。
- 解決方法が欲しいのではなく問題解決がしたい。そこが抑えられないためトンチンカンな仕様が生まれるんだろう。
問題理解を破綻させる原因を3つ考え出せないうちはまだ問題を把握できていない。
- 問題定義でも見落としの可能性が何百とあり、そのうちの3つを考え出せないようでは考える力が足りていない。
- 問題定義の時点で破綻させるかもしれない点が3点想像できるくらい問題を理解しろということだろう。
問題の主語は誰か?が大事
- 問題の当事者意識があるかないかがスゴく大事である
- 自分の問題なのか?自分たちの問題ではないのか?と考えることは大事
- タバコの例や飲食店にて財布を忘れた例などはなるほど。と感じた。
- 自分だけではなく、自分たちの問題と常に感じるような癖をつけたい。
- 自分の問題なのか?自分たちの問題ではないのか?と考えることは大事
- 自分の問題を権限によって解決することは反感を買う
- わかりみー。あるあるすぎる。
- 当事者意識を広げることだけではなく、敢えて私自身の問題として捉えると、解決策の切り口が変わる
- 確かに。主語が大きすぎて解決まで時間がかかる場合もある。その場合は主語を変えて自分(達)で出来る方法を考える。
問題の出処はしばじば自分である
- 約53%の確率で問題は問題解決者に起因する
- 入国審査の例があり、厳しくチェックされている側の問題の捉え方によって解決する話があった。
- 「アイツが…」とか「アノ課が…」とかよく聞く。きっとその不満を言っている本人にも問題はあるのであろう。
- 自分も考えを改めないといけない。
- 入国審査の例があり、厳しくチェックされている側の問題の捉え方によって解決する話があった。
今後
- Tech寄りじゃない本も良い刺激を貰える。人にオススメの本を聞いてみて読んでみようと思う。
余談
この本を読むことで知らない文化を学べる
- 「他の人のモカシン靴を履くの法」とはモカシン靴は乾きづらく直ぐに乾くことはないので、同じ気持ちになるまでは時間かかるよ!という意味らしい。
- Never criticize a man until you’ve walked a mile in his moccasins.(人を批判しちゃいけない。その人のモカシンを履いて1マイル歩いてみるまでは)
例題に時代を感じ、文化の違いによって意味がわからない点もある
- 冷戦だったり、PC(計算機)の用途が限定的だったりと例題に時代を感じた。
- 今の若い人が読んだら更に意味がわからなくなりそう。
- また言い回しが独特で文化の違いを感じる。
- 文書として読みづらいと感じることがあり、理解するために時間がかかった。僕だけだと良いが…。