「チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで」を読んで

書籍

TL;DR

  • 読み物としても面白く、チームで仕事をする人は読んで損しない本。
  • 読めばモチベーションが上がり、現在のチームに何らかのアクションを取りたいと思わせてくれる。

この本を選んだ理由

  • 現在チームで働いているがチームで働く良さを十分に活かしきれていないと感じている為。
  • 感銘を受けた「カイゼン・ジャーニー」の続編であり、ファンとしては読まない訳にはいかない為。

印象に残った点

チームの成長戦略にも段階の設計を取り入れる[第1部 第03話]

- いきなりたどり着きたい「目的地」に向かって全速力で走り出すのではく、目的地を見据えつつ、その過程をデザインする。
  - 目的地を明らかにするための問いとして「私達がたどり着きたい場所はどこか?」がある。
- 目的地から逆算し、段階を構想する。その際、段階の傾き、期間の妥当性を検討する。
  - 最初の見立ては正確性に欠けるので段階を進めていく中で段階設計を見直す。
  • 理想を掲げるのは良いが段階を踏まないといけないのか。当たり前のことなのに読んでいて気付かされた。
    • 逆算して段階的にチームの練度を高めていきたい。

チームの構造には4つの要素がある[第1部 第04話]

- 共有ミッション、役割、コミュニケーション、ルール
  - 要素が足りないとチームの力を発揮できない
  • 明確に打ち立てチームのメンバーに伝える必要があるのか。曖昧に定義するところだった。

現状を打破するためにチームのDIFFを取る[第1部 第05話]

- DIFFの取り方は3つある
  - 過去、未来、並行
  - 過去からの差分で着地点を決める
  - 未来の姿からの差分で着地点を決める
  - 並行(別チーム)の姿からの差分で着地点を決める
  • チーム開発に限らず、個人を広げるためにも視点の変え方だなぁ。

コミュニケーションの構造化する[第2部 第10話]

- チームからの越境をするために、コミュニケーションの構造化が必要
  - デイリースクラムによるチーム内の同期
  - リード(職能別)による同期
  - 各チームのリーダー開発による同期
- リーダー会が意思決定の場にしてはいけない
  - 背景、対象とする問題や事象、原因、施策、施策採用理由、実施にあたっての前提をセットにして伝えること
    - ただ言われたことをやるという構図にならなくなる
  • 今のプロダクトチームはチームの同期と全体の同期のみしている。全体の同期が広範囲すぎるんだよなぁ。。。リーダー会はリーダー会として別途やるべきで、伝えたいことはちゃんとリーダーがチームに伝えるようにしたらいいのになぁ。と思う。

横断チームが必要になる状況と直面する問題がある[第2部 第12話]

- 横断チームが必要になる状況
  - 専門性不足やこぼれ球が山積みになっている
  - 自チームの開発を有利にしたいという状況
    - プロダクトチーム全体として最適ではない
- 横断チームが直面する問題
  - タスクを引き受ける範囲の線引きが曖昧になる
  - 稼働率問題(専任、兼任)
    - フロー効率を取るなら兼任、リソース効率を取るなら兼任
    - どちらの選択がミッションの実現により効果的かを考えて判断する
  - ミッションに必要な期間を見定め、一時的なチームとする。
  • 今の組織はミッション実現のためにより効果的だと考えて兼任という判断をしているのか、深く考えたい。
  • 状況特化のために横断チームを期間を決めたほうが良いというのは実体験ベースでも感じる。

クモ型チームとヒトデ型チーム[第2部 第14話]

- クモ型チームとは中央集権型の組織
  - 強いリーダーが引っ張り続けるが、頭がやられるとクモもたちまち動けなくなる
- ヒトデ型チームとは分散協調型の組織
  - ヒトデはどこをやられても活動が停止しない
  • 今のプロダクトチームはクモ型になっている。ヒトデにはなれないのか?と考えるとある程度練度が上がっており、無理はないと個人的に思う。
    • ただ、今のリーダーがそういう体制にしないのはまだ現状に不安があるからなのかもしれない。
    • リーダーの視点に立って考えないといかんな。

視座や視野を意図的に変えることが理想だが、簡単に出来ない[第2部 第15話]

- 視野が同じでも視座を変えると見えるものが変わる
- 現状の最適化=現状に合わせた思考&行動に気づいていない
  - そもそもこの仕事で何を実現したいのか?、この仕事は必要なのか?を問い直す必要がある
- 役割の固定により視座や視野が固定される
  - リード役をローテーションをする
- 対応方法は色々あるが難しい
  - チームで臨むことで、チーム総体としてあらゆる観点から物事を捉えられる。
  • 経験してみないと分からないというのは良く分かる
  • リードを変えるのは良いなぁ。今の体制では難しいけど。
  • チームで臨む良さを今一度考えないといけない。誰にでも穴はあり、その穴を互いに埋めてこそチームなのだろう。

その他所感

  • DBスペシャリスト受けるつもりが試験が延期?中止?になり久しぶりに時間が取れたので読んでみた。本を読むというのは勉強とは違う楽しさがあるなぁ。

今後

  • 「他者と働く」を読んでみたいなぁ。